ワンネス 821号  2016/09/04発行

昔ながらの行事を伝承

川施餓鬼

 菊陽町民族無形文化財に指定されている伝統行事「川施餓鬼」が8月19日(金)、上津久礼区のグラウンドで行われました。
 毎年区内の6つの組が、それぞれ趣向を凝らし、馬を模した施餓鬼舟を制作。2組の制作場所になった松村幸治さん宅には大人7人、子ども4人が参加し、2時間ほどで、やや小ぶりのかわいい施餓鬼舟を作り、夏祭り会場のグラウンドに並べました。午後7時の祭りの合図の花火とともに、牛乳パックで作ったミニ灯籠や、施餓鬼舟に取り付けられた20個の提灯に火がともされ、盆踊りで盛り上がる祭り会場をやさしく照らしました。
 竹灯籠を周囲に美しく配置し、特に人目を惹いた施餓鬼舟を制作した、安田さんは「灯籠に使った竹がまだ若くて柔らかく、文字を切り抜きにくかったです。来年はもっと完成度の高いものを作れると思います」と話されました。

 

 

かけあんどん

 津留区(阪本区長)では昔ながらの伝承行事「かけあんどん」が8月13日(土)〜16日(火)の4日間、区の地蔵堂で行われました。
 かけあんどんは、小学1年生から中学2年までの男の子が主役の行事。今年は、子頭の光琉くん(中1)、孝太くん(小5)、善太郎くん(小3)、孝仁くん(小3)、一路くん(小2)、光輝くん(小1)の6人が参加。事前に各家庭を回り、ろうそく代を集め、お参りに来た人たちへ配るお菓子や花火などを買いました。夕方には地蔵堂へ集まって、爆竹や花火をしたり、お参りに来た人の接待をしました。
 子頭の阪本光琉くんは「あんどんの管理は小さい子たちは難しいみたいでしたが、伝統行事なので教えていかないといけないので大変でした。夜9時まで地蔵堂でみんなと過ごして楽しかったです」と話してくれ、保護者の坂本孝則さんは「自分たちが子どもの頃は、子どもたちだけで地蔵堂に泊まって、夜にはゲームをしたり肝試しをしたり楽しかったです。今は、泊まりませんがこの行事を続けていって欲しいです」と話されました。

 

 


楽しくふれあいました
中高齢者と子どものふれあい交流会

 菊陽町南部町民センターで平成28年度世代間交流事業「中高齢者と子どものふれあい交流会」が8月5日(金)、同センター内で行われました。
 参加した子どもたちは3班に分かれ、参加したおじいちゃんやおばあちゃんに教えてもらいながら獅子頭作りや水鉄砲作り、昔ながらの遊びで、おはじきや竹トンボ飛ばしなどを体験しました。お昼ご飯には、カレーライスやかき氷なども準備され、楽しい交流の場となっていました。
 参加した煌莉さん(小5)は「初めて鶴を折りました。難しかったけど、教えてもらいながらやっとできあがりました」と話してくれ、こま回しを体験していた優太郎くん(小4)は「タイミングが合うようになったらよく回るようになりました」と笑顔。獅子頭作りを教えていた中村さん、吉山さん、上村さんは「苦労しながら、知恵を出し合いながら一緒に作りました。楽しかったです」と話していました。

 

 


初めての押し花体験
宮ノ上区ふれあいサロン

 宮ノ上区ふれあいサロン(江口区長)で、押し花作品作りの体験会が8月4日(木)、同区公民館で行われました。
 同区で押し花作品作りをする小原さんが、材料や道具を準備し、参加者はハガキや栞作りに挑戦。様々な花やくまモンのイラストを思い思いに配置し、「我ながらいいのができたな〜」「色合いがむずかしか」などと話しながら楽しいひと時を過ごしました。栞はそれぞれ1枚ずつ菊陽町社会福祉協会に寄付し、残りは持ち帰りました。
 松元さんは「押し花作品作りは初めてで、手が震えてなかなか難しかったです。きれいにできたハガキは暑中見舞いに出そうかな」とうれしそうに話されました。

 

 


  三里木区 たわらや酒店 宇野功一
 
(121)菊の節句・お月見に「菊姫」

◆重陽の節句とお月見
  歴史的な地震に見舞われた熊本にとって、今夏の酷暑はたいへん厳しいものでありました。9月になり、早く涼しくなって欲しいものです。古来より、9月にはお酒を飲む風習の日があります。
 一つは9月9日の重陽の節句で、もう一つは十五夜です。(年によっては10月の場合もある)9月9日の重陽の節句は、菊の節句ともいいます。9は最も大きな数で、江戸時代ごろまでは、収穫の喜びを兼ねて最も盛大に節句を行っていたそうです。菊を酒に浮かべて飲み、不老長寿を願ったと言われています。
 十五夜は旧暦8月15日の夜の満月をめでる行事です。今年は9月15日が中秋の名月です。新暦と旧暦はズレがあるため、15日に十五夜になるのはなかなかマレです。次回、9月15日が中秋の名月となるのは、30年後の2046年です。

◆太閤秀吉も菊姫ファンだった
 9月にぴったりの日本酒、「菊姫」の創業は天正年間(1573
〜1591年)ごろ。石川県白山市鶴来町にある菊姫は、霊峰「富士山」・「立山」と並ぶ日本三名山の一つである白山連峰の麓に酒蔵があります。古来より、芳醇な美酒と呼ばれてきた「加賀之菊酒」は、「太閤記」が伝えるところによると、太閤秀吉が醍醐の花見に、是非にといってわざわざ取り寄せたという誉れ高き天下の銘酒です。

◆9月は「菊姫特選純米」純米酒の最高峰
 菊姫の酒は、山廃酒母を使用した濃厚で飲みごたえのある酒と、速醸酒母を使った口あたりの良いまろやかなタイプに大別できます。この特選純米は後者のタイプで、山田錦ならではの、たっぷりとした旨みを味わうことができます。とくに、濃い目に味付けされた料理との相性は抜群で、ついつい飲みすぎてしまう美味しさ!菊姫純米酒シリーズの中では最高峰に位置する酒です。ラベルは昭和初期からのデザインのものを踏襲しています。
 夏の時期はさっぱりした香味の酒を好んで飲んでいた方も、秋の時期には芳醇で旨みのある酒がおいしく感じるようになります。秋の夜長、重陽の節句や中秋のお月見に「菊姫」のお酒はきっとおいしく飲めると思います。500年の歴史を超えて銘酒「菊姫」で乾杯。

【菊姫 特選純米酒】
合資会社菊姫 石川県白山市鶴来町
酒米:兵庫県三木市吉川町・特A地区産
精白歩合:65%
日本酒度:非公開    酸度:非公開
2〜3年熟成酒・複数年ブレンド
1800m l3100円(税別) 720ml 1550円(税別)


語り継がれる被爆体験
ひばりケ丘区

 ひばりケ丘区(立石区長)公民館で8月9日(火)、防災講話が行われ、71年前のこの日に長崎で被爆された同区在住の早川さん(87歳)が貴重な体験を話されました。
 早川さんは昭和19年5月、当時15歳で学徒動員令によって長崎県 三菱重工業長崎造船所 小菅修船場に配属され、主に上陸用舟艇建造の任に就きました。
 翌年、昭和20年8月9日の午前11時2分、早川さんは米軍の爆撃機B -29が何かを投下するのを目撃。その直後、まず光と熱が、続いて轟音と爆風が早川さんを襲いました。爆心地との距離は約4qで、早川さんにけがは無かったものの被爆し、宿舎は半壊。3日間を防空壕で過ごしたあと、徒歩で熊本まで戻る間に目にした長崎市街の惨状は凄まじく「熊本に帰り着くまで、死臭が体に染み付いていて取れなかった」と早川さんは当時を振り返りました。
 この日は同区の小学6年生17人も参加し、早川さんの被爆体験を真剣な表情でメモを取りながら聞き入っていました。また、このあと菊陽町総務課職員・同危機管理官が、熊本地震による町内の被害や町の対応、今後の自然災害に対する備えなどについて講話を行いました。

 

 



空き缶でご飯が炊けました

 
  災害時に電気やガスが使えないときでもご飯が炊けるように、菊陽町ふれあいの森研修センターの単発講座「エコクッキング」が7月30日(土)ふれあいの森公園で行われました。
 参加者は、アルミの空き缶2個を準備。同町社会教育指導員 内田早苗さんの指導で、1個をハサミで切り、かまどを作成。もう一個は、飲み口の部分をカットして炊飯器とし、米と水を入れました。かまどに固形燃料を入れ、アルミホイルでふたをした炊飯器をセット。固形燃料に火をつけると、20分ほどで炊き上がりました。
 参加した美凛愛さん(小4)と朱莉さん(小4)は「空き缶を使ってご飯が炊けるとは思いませんでした。空き缶を切るとき、上の部分が硬かったので難しく手を切らないように注意しました。炊き込みと白ご飯が選べたので、炊き込みご飯にしました。とてもおいしいです」と笑顔で話してくれました。