ワンネス 870号  2017/09/10発行

昔ながらの伝統行事

川施餓鬼

 菊陽町民族無形文化財に指定されている伝統行事「川施餓鬼」が8月19日(土)、上津久礼グラウンドで行われました。毎年区内の6つの組が、それぞれ趣向を凝らし、馬をかたどった施餓鬼舟を制作しています。施餓鬼舟の制作では、詳細な設計図などは用いず、参加者たちの培われた経験のみで作り上げるので、各組にそれぞれ個性があります。今年も2組の制作場所になった松村さん宅には大人7人、子ども3人が参加。照りつける日差しの下、大粒の汗をかきながら2時間ほどかけて約2mの施餓鬼舟を作り、夏祭り会場であるグラウンドに並べました。以前は、完成した施餓鬼舟は川に流していましたが、現在は祭りの翌日にグラウンドで焼却されています。
 午後7時から開催された夏祭りでは、小さい灯篭や施餓鬼舟に取り付けられた提灯に火がともされ、来場者が輪になって盆踊りを楽しむ会場を幻想的にやさしく照らしていました。
 松村さんは「今年は米俵を締める伝統的な結び方で荒縄を締めました。例年より大きい施餓鬼舟を作れてとても満足しています」と笑顔で感想を話してくれました。

 

 

かけあんどん

 津留区(阪本区長)では昔ながらの伝承行事かけあんどんが8月13日(日)から16日(水)までの4日間、区の地蔵堂で行われました。
 同区のかけあんどんは、小学1年生から中学2年生までの男の子が主役の行事で、大将の光琉くん(中2)を中心に、事前に各家庭からかけあんどんやろうそく代を集めたり、お参りに来てくれた人たちに配るお菓子を準備しました。子どもたちは行事が始まる夕方、地蔵堂へ集まりあんどんを設置。爆竹や花火をしたり、お参りに来た人たちを接待しました。
 恵哉くん(小1)は「あんどんやろうそく代集めをしました。大変だったけど楽しかったです」と話してくれ、光琉くんは「今年は7人でかけあんどんをしました。お父さんたちも手伝ってくれましたが、準備やあんどん、仏様のろうそくが消えていないかなどの管理も自分たちでしました。みんなをまとめていくのも大変でしたが、楽しい思い出となりました」と話してくれました。

 

 


夜の図書館は魅力がいっぱい!
図書館お泊り探検隊

 閉館後の図書館の魅力を宿泊体験できる菊陽町生涯学習課主催の「図書館お泊り探検隊」が、8月18日(金)・19日(土)の1泊2日で菊陽町図書館で開催されました。毎年夏休みの恒例となっている同イベントは大人気で、今回も多数の応募があり、菊陽町の小学生29人が参加しました。
 参加した子どもたちは、午後6時30分に同図書館へ集合し、視聴覚室にて開校式が行われました。主催者あいさつや日程説明を受けたあと、図書館職員によるお薦めの本を紹介する「ブックトーク」が行われました。続いて夜の図書館探索があり、ホールステージの舞台裏や楽屋などの施設を職員に案内されながら見学。普段立ち入ることのできないエリアへと足を踏み入れた子どもたちは、職員の説明に興味深げにじっくりと耳を傾けていました。ほかにも夜の自由な読書タイムがあり、学校図書館と比べてはるかに蔵書数が多いこともあってか、思い思いに本棚からめぼしい本を取り出しては夜遅くまで熱心に読書にふけっていました。 
 翌19日は、午前7時に起床し、図書館玄関前でのラジオ体操で夜更かしをした眠気を払いました。朝食を済ませ、約1時間ほど朝の自由読書を終えたあと、5組のグループに分かれての書評合戦「ミニビブリオバトル」を開催。自分が読んで選んだ1冊を各自持ち寄ってグループごとでひとりずつお気に入りの本を紹介し合い、その発表を聞いて読みたいと思った本の選出を行いました。
 今回のイベントで10冊ほど本を読んだという本井春姫さん(小5)は「夜に好きな本を好きなだけ読めたり、今まで見たことのない夜の図書館や朝の図書館が見れて楽しかったです」と感想を話してくれました。

 

 


  矢原正治

(125)ウツボグサ シソ科

 9月に入り急に涼しくなりました。気温差の激しい季節ですが、皆様「夏バテ」していませんか? 胃を冷やし過ぎないように、たまには温かいものを飲食して胃をいたわって下さい。
 今月はウツボグサです。5月に花を咲かせ、6〜7月になると花が枯れ「夏枯草(かごそう)」になります。地上部を乾燥したものを夏枯草といい、消炎利尿を目的に腎臓炎、膀胱炎に用いられます。夏枯草1日量、約10gを、500tの水で煎じ、約半量にし、ろ過して3回に分けて食間に服用します。
 夏枯草には、タンニン(ポリフェノール)が多く、夏枯草だけを長期間服用すると、胃を刺激しますので胃弱の人は注意が必要です。
 夏枯草に大棗(たいそう=ナツメの果実)を加えたものは急性黄疸性肝炎に効果があると言われています。また、暑気払いに、夏枯草を刻み、お茶のように飲むと効果があると言われています。外用には口内炎、へんとう炎に、夏枯草3〜5gを、300tの水で煎じ、煎汁でうがいをすると予防できます。結膜炎の洗眼液として、上記の煎汁を脱脂綿でこして用います。この場合には常に新しく煎じたものを用いて下さい。ウツボグサの生の葉を潰して打撲傷などの患部に塗ると効果があるといわれています。

      

 8月中旬、庭にウコンの花が早々と咲きました。普通、ウコンの花は9〜10月です。9月にはミョウガの花が咲きだします。ミョウガは物忘れをするとも言われていますが、皆さんいかがですか?
 8月17日に高森に出かけましたら、お盆に合わせて「ショウキズイセン」が黄色い花を咲かせていました。秋の彼岸にはヒガンバナが咲きます。
南阿蘇、高森は、朝夕涼しくなったとのメールが届きます。秋の植物が大きくなり、稲穂もだいぶん大きくなってきました。電車の走っていない高森線の中松駅から立野駅の間は線路が草ぼうぼうです。「南阿蘇 水の生まれる里 白水高原駅」の前にある食堂は営業していて、駅の清掃もきれいにしてありました。
 駅の横の線路の上を走る車道の橋は、米の収穫が終わる秋から修復の工事が始まるそうです。
 胃腸の調子を整え、楽しい『食欲の秋』をお迎え下さい。



公民館で映画鑑賞

 新山区(濱田区長)の白鈴公民館で8月9日(水)、区民を対象に「夏休み映画上映会」が行われました。
 同区では初めての企画でしたが、午後6時の開会時間には約40人の親子が参加。上映に先立ち、菊陽西小学校の島田教頭が子どもたちに向け「夏休みの中日ですが、お家の人のお手伝いをしていますか? 休み後半も事故などに気をつけて、新学期には元気な顔をみせてください」とあいさつしました。
 そのあと大きなスクリーンにアニメ映画が上映され、参加者は照明を落とした公民館内で、あぐらをかいたり、うつ伏せになったり、ゆっくりとくつろいだ姿勢で映画を鑑賞、楽しい夏の思い出になりました。

 

 

 



楽しいBBQ

 障がいを持った方々とボランティアさんたちが毎月1回、一緒に遊んでいる「たゆやか(南代表)」は8月19日(土)、あさひヶ丘区の喫茶「アベニュー」駐車場で夏の恒例活動となっているバーベキューと花火での交流会を行いました。
 2年前より交流している大津町のNPO法人「風とねむの木の会」の方々も参加して、にぎやかにお話ししながら、お肉をおなかいっぱい食べました。保護者の方からは「おいしいものを食べているときは、みんないい表情をしているね」と話されました。
 夜になり、お楽しみの花火が始まり、色とりどりのきれいな大量の花火を、子どもから大人まで、みんなで盛り上がって遊びました。

文・写真提供 たゆやか

 

 

 


芸術を堪能する

 茄子の会(中村代表)の作品展が9月2日(土)から9月10日(日)午後3時まで、お菓子の香梅光の森店「ドゥ・アート・スペース」で開催されています。
 今年の7月で結成5年目を迎えた同会は、主に菊陽町を中心に構成され、アート制作を楽しむ団体です。
 作品展では、水墨画や切り絵、木のパッチワークなど約100点の多彩なアート作品が会場に展示され、来場者もその出来栄えに感心していました。また、クレイクラフト教室も行われています。
 中村代表は「こうして作品を展示してみると、会員の方々の技術が年々上達していくのを実感しています。作品展を開催し、地域住民の方々に足を運んでいただいて鑑賞してもらえることは、私たちの活動において、とても有意義なことだと思います」と話していました。