矢原正治 C


725号 2014年9月14日

(91)トウモロコシ イネ科

 阿蘇の畑にたわわに実っている「阿蘇トウキビ」。柔らかくて甘い物がもてはやされる時代、阿蘇トウキビ(トウモロコシ)は種子が固くて美味しくないという人が多いですが、かめばかむほど美味くなります(唾液に含まれるデンプンを分解する酵素アミラーゼでトウキビに含まれるデンプンが、噛むことで分解されて甘みを示す麦芽糖、ブドウ糖になるため)。阿蘇では、保存食、牛・鶏の餌として用いられてきました。初めて阿蘇トウキビを食べたのは、30数年前、高森田楽のご飯に黄色いモノが入っていました。最初食べたとき、黍(キビ)だと思って聞きましたら、トウモロコシの種子だと言われたのが印象的でした。 
 トウモロコシは薬用植物です。薬用部位は花柱(毛)で、南蛮毛(なんばんもう)と言われ、利尿、腎炎、脚気、むくみ、膀胱炎、尿路結石症等の効果があると言われています。花柱(種子が熟れたときの毛)には、カリウムが多く、利尿作用があると言われています(スイカの果肉の利尿作用も同じカリウムによるものと言われています)。トウモロコシを食べるときに花柱(毛)を集め、乾燥し、カビが生えないように保存。必要なときに煎じて服用するか、茶のように飲むと良いでしょう。ただ、腎臓透析をしている人は、腎臓を弱らせる原因になりますので、利用に十分注意して下さい。利尿で思い出すのは「イグサ」です。大津の道の駅で売っている「いぐさ野菜の粉」を飲むと良く小便が出ますが、臭いが余りしなくなります(臭いセンサーで測定しましてもらいました)。
 人の身体の水分は赤ちゃんで70%位、高齢者で55%位と言われていわれています。この水は毎日の飲食で入れ替わり、バランスが保たれています。また、心身の状態が普通なら、身体の中で水のバランスが保たれています。皆さんが身体の水のバランスが狂った身近な病状は@車酔い、A二日酔いの咽の渇き、B雨が降りそうなときの偏頭痛、C嘔吐下痢、D浮腫(むくみ)等があります。車での家族旅行で子どもが車酔いすると大変です。我が家では、利水の漢方薬「五苓散」を飲ませていました(眠くなりません)。嘔吐下痢症に五苓散を服すると症状がひどくなりません。孫達にも使っているようです。漢方薬は頓服で用いる薬が沢山あります。
 西洋薬には利尿薬(小便を出す薬)があります。しかし体内の水分のバランスを整える利水薬(水の多いところから少ないところへ移し、余分の水は小便に)はありません。漢方薬は食と同じような考え方です。漢方薬を勉強している薬剤師に聞いて利用して下さい。


729号 2014年10月12日

(92)アカザカズラ ツルムラサキ科

   

 南米熱帯地域原産の薬草、アカザカズラ(藜蔓)は、別名、雲南百薬(うんなんひゃくやく)、オカワカメ、マデイラカズラ等と言われ、沖縄で民間薬・食用として用いられています。高さ2m〜10mの蔓性の多年生植物で、地下は肥大した根茎があります。茎を挿し芽しても繁殖します。葉は肉厚で光沢がありハート形をし、切ると粘りがでます。9月〜10月にかけて、10〜30cmの穂状の集合花を多数つけ、穂の根元から順に咲きます。花の大きさは5o位で最初は白色ですが、受粉すると黒くなりほのかな香りがします。果実はできないようで、ムカゴをつけます。
 中国の雲南省で、沢山の薬効があることから「百薬」と名付けられたことから「雲南百薬」と呼ばれています。葉にはマグネシウム、カルシウム、亜鉛のミネラル類、ビタミンA、葉酸などのビタミン類が多く含まれていると言われています。効能としては狭心症、腎臓・膀胱の病気、便秘、癌、骨や歯の形成、アレルギー、骨粗鬆症、気管支炎、胃潰瘍、高血圧、心筋梗塞、免疫力増強等々と何でも効くように記されています。しかし「ブラジル産薬用植物事典」には、収斂剤として内出血に用い、また気管支の病気や眼炎に用いるのみとあります。さらに、糖尿病、自律神経失調に良いなどと、インターネットに掲載されています。また、中国の本には、藤三七(トウサンシチ)とよび、病後衰弱を治すと記されています。
 栽培は日本全国で行われていますが、南の方が適しているようです。熊本大学薬学部の薬用植物園では、管理棟の日除けのトビカズラの棚に一緒に伸び、今年は2階の屋上まで届き10m近くになり、9月に入り日当りの良い部分で花を咲かせ、淡い香りがします。周りからウスキモクセイの香りがにおいますので、その香りに消されているようです。花は少し黒くなってきましたが、後2週間位は楽しめそうです。
 秋になりました。今年は栗の豊作でしょうか、利平の割れグリを見つけ衝動買いをし、渋皮煮を作ってもらいました。普通に茹でても皮が剥きやすく美味しくいただいています。
 秋になると空気が乾きます。乾燥すると胃の水分は少し減少し、胃の調子が良くなり「食欲の秋」となります。冬になり寒くなると寒さで胃の動きも少し悪くなります。そこで身体を温める「鍋」が楽しい季節になります。皆様、心身のバランスを崩さないように、心身をご自愛下さい。


733号 2014年11月9日

(93)ガマ  ガマ科

 皆さんは、出雲神話の「因幡白兎(いなばのしろうさぎ)」の話でご存知の方も多いと思います。淤岐島(おきのしま)から因幡国(現・鳥取県東部)に渡ろうとした兎が、海の和邇(わに)に次のように言ってだましました。「お前と私と、どちらが仲間が多いか競争しよう。多くの仲間を集めて因幡国の岬まで一列に並びなさい。私がその上を走りながら数えて渡るから」と。兎がだましたのがばれて、和邇(わに)に毛をむしられ、海にはまって苦しんでいるところに「大国主神(おおくにぬしのみこと)」が通りかかり、まず真水で身体を洗い、次にガマ=蒲黄(ほおう)にくるまって傷を治しなさいと教えてくれた、とあります。
 そのとき、傷を治したのが「大黒様」の歌では「蒲の穂綿」とありますが、蒲の穂綿は、ふわふわしているだけで、傷を治す効果はほとんどありません。毛をむしられ傷ついた皮膚には、蒲の花粉(生薬名:蒲黄(ほおう)が適していると思います。蒲の花粉は、熊本では5月に飛びます。成熟した花粉は鮮やかな黄色で、味は甘く、性質は平、効能は、収斂、止血、下血、膀胱炎、痔出血、子宮出血等に用いるとされています。蒲の花粉はサラサラとしており、汗ばんだ手で触っても、少しの水分を吸収してくれそうなサラサラの手触りです。もし、リンパ液(汁)が出ているような切り傷でも、乾かしてくれ、傷を治す効果があるのではと感じます。
 ちなみに、同じような黄色の粉末のウコン末を汗ばんだ手に付けると、ベトッと手にくっつきます。蒲の花粉とは全然違います。
 ウコン末の軟膏はオムツかぶれに効果があります。また、研究室で作っている「中黄膏」(ウコン末、キハダ末)は、カユミ止め、ニキビ、化膿した傷等に効果があります。また、別に「紫雲膏」(紫根、当帰)という火傷の特効薬を手作りしています。紫雲膏は、火傷の他に、傷(赤みのある初期の傷)、打ち身、霜焼けなど、更に8月にはネパールで山蛭(やまびる)に噛まれた時の止血と傷に効果がありました。
 夏はお腹を冷やして「寝冷え」で風邪を引きました。朝夕寒くなってきました。これからは、寒邪に侵され、背中から腰を冷やして「風邪」を引きます。背中から腰を冷やさないように注意して下さい。ゾクッとしたら、頓服ですぐ風邪薬(漢方薬では葛根湯などを2時間おきに)などを飲み、背中を暖めて下さい。元気で、楽しい11月、年末をお過ごし下さい。


738号 2014年12月14日

(94)ユズ ミカン科

 12月に入りました。皆様もお元気ですか?「ヒマラヤ桜」が熊本大学薬用植物園(味噌天神近く)で5分咲きです。
 家のユズが熟れましたので、11月末に収穫しました。刺でだいぶ腕に傷が出来ましたが、孫達が集めてくれました。早速風呂に入れユズ湯を楽しみ、身体が温まったようです。ユズ酢を絞り、皮は千切りにし蜂蜜に漬けて、ユズ茶、パンにのせてマーマレード代わりにするなど、いろいろと楽しめます。
 ユズの効能として、食して疲労回復、神経痛、リューマチの方はユズ湯に入ると良いと書かれています。ユズ酒を作り、疲労回復に。種子で化粧水を作り、肌荒れに。精油(香りの成分)の中に、リナノール、βーピネンが多いユズ果汁や、ダイダイ葉は、リラックス効果があると言われています。種子の油(シードオイル)には、メラニン抑制効果、抗アレルギー効果があると言われています。種子を乾かし、つぶして、ホワイトリカー等に浸けるのも良いでしょう。

〈ユズ種子ローションの作り方〉
@柚子の種:焼酎(ホワイトリカー)を1:10の割合で瓶などに入れ、約1週間冷暗所に保存、ドロッとしたら種を取り除いて出来上がり。肌の弱い方は水を使うとよいようです。
A柚子の種:水を1:3の割合で瓶などに入れ、冷蔵庫で保存。1日でドロッとした保湿液が出来ます。水だけのものはカビが生えやすいので注意して下さい。

〈ユズ酢の作りかた〉
 果肉を絞り、搾り汁と同じ量の米酢を加えて、冷蔵庫で保存し、食酢として使用して下さい。
 ユズが酸っぱいのは、クエン酸が多く、疲労回復に効果があります。梅干しにもクエン酸は多いですね。 
 いろんな柑橘類が、これから出てきます。楽しんで下さい。人によっては、肌にあわない人もいますので、化粧品等で利用して、おかしい時は、すぐに中止して下さい。

 12月に入り、熊本大学薬学部の薬用植物園では、今年も香りの良い「屠蘇散」を作ります。使用する生薬(桂皮、花椒、陳皮、桔梗、浜防風、蒼朮、丁子)を選ぶのも楽しみですが、気を使います。元旦に、赤酒に半日位入れたものを飲むと美味しいです。また、一ヵ月位漬けておくと薬酒のように、胃腸の調子を調え、身体を温めます。


742号 2015年1月11日

(95)サフラン アヤメ科

 明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。年末の忘年会、クリスマス、新年のお節料理、新年会等、食べ過ぎ飲み過ぎで胃腸が弱っていませんか?いかがでしょうか?その胃腸をいたわり、風邪を引かないように一年の健康を考え、お屠蘇、七草粥の行事があります。
 私は、胃腸が弱ったと思ったら、カレーを食べに行きます。少し高級なカレー屋さんでは、黄色いライスが出てきます。サフランライス(サフラン御飯)またはターメリックライス(ウコン御飯)です。サフランの価格はウコンの価格の1000倍位で、1kgで30万円前後(卸価格)します。安くて良いサフランが欲しい人は、少し遠いですが「豊後竹田」の道の駅で手に入りますので出かけてみて下さい。
 サフラン(クロッカスの仲間)は地中海〜インドに自生し、ヨ−ロッパの生薬(しょうやく)で、鎮静(精神安定)、鎮痛(痛み止め)、通経薬(生理を改善)として、また知能障害を回復、抗腫瘍活性がある等の報告があります。甲佐にあるM健康堂がサフランゴールドとして、豊後竹田産のサフランを使った製品を作っています。豊後竹田のサフランは100年以上前から栽培され、有効成分の含量が中東〜ヨーロッパ産のものの2倍位といわれています。市販されているクロッカスは花を観るだけで、赤い雌蕊(めしべ)の無いものが多いです。また、イヌサフランという有毒で薬用に使うものもありますので、安易に口に入れないで下さい。花屋の店員さんも危険性を知らない人が多いので、花屋さんで売っているものは「花を愛でる」だけにして下さい。
昨今、誤食による中毒が増えています。食べるものと花を愛でるものは別の場所に分けて植えることで、誤食を防ぐことが出来ます。
 今年もインフルエンザが流行しています。私の友人、子ども・孫たちは「麻黄湯」という漢方薬でひどくならないように対応しているようです。漢方の風邪薬(麻黄湯、葛根湯など)を飲む時は、2〜3時間おきに飲んで下さい。3日分(1日〜1日半)も飲んで回復しない時は早めに医者に行って下さい。急に発熱したり、ゾクッと来たら「すぐ」風邪薬を飲んで養生をして下さい。
 嘔吐下痢症には「五苓散」が効果的です。嘔吐下痢が始まったら「すぐ」飲む(頓服)とひどくなりにくいです。赤ちゃんにも効果があります。お試し下さい。2〜3時間おきに飲むと効果的です。皆さんが、1年を健康で過せますようにお祈りいたします。


746号 2015年2月8日

(96)ローゼル アオイ科

      

 ローゼルはハイビスカスティーの元の植物です。オクラの仲間ですが、果実は食べられません。私は食べたことがありません。
 赤い部分の萼(がく)を用いるのが「ハイビスカス茶」という名前で飲まれていますが、ハイビスカスの花ではありません。ローゼルの深紅の萼を用います。花はオクラと同じように、1日目は白色で中央は濃赤、2日目には淡黄色に、花が終わると淡赤になります。 
 花が終わり成長した赤い萼を採り、乾燥して用います。お茶にすると綺麗な赤色(紅色)になります。萼の中にクエン酸等の酸性物質が沢山入っているからです。日本では紅(赤)色のハイビスカス茶が売られていますが、一昨年2月にスーダンに行った折、植物研究所で、赤に加え、黒(濃い赤)、薄い赤のローゼルを見せてもらいました。また、赤いハイビスカス茶も色が濃く、日本で売られているのと違い何度でも色が出ます。オクラの原産地のハイビスカス茶は色鮮やかで大変よい物でした。
 機能性ですが、クエン酸等の有機酸が多く、奇麗な紅の茶になりますので、心がやすらぎます。アントシアン、フラボノイド等のポリフェノールが入っていますので、抗酸化作用もあります。「疲労回復、眼精疲労改善、血行改善、利尿作用」等があるといわれています。少し信じて、飲んでみて下さい。よいことがあるかもしれません。
 アントシアン色素を使ったマジック料理を紹介します。アントシアンは中性から弱アルカリ性で青色に変わる物があります。例えば、ハイビスカス茶を作り、少し重曹を入れ色を青色にして寒天と砂糖を入れてゼリーを作り、レモン果汁を少しかけながら食べると、レモン果汁が触ったところから赤くなってきます。色のマジックです。子どもたちも大喜びして食事が楽しくなるのではないでしょうか?しかし安定な色ではありませんので、長くは持たないのが難点です。「料理を科学する」で、遊んでみて下さい。
 今年もスギ花粉が飛んでいます。花粉症は如何ですか?あまりひどくない人は、河内で作っている「青ミカンの粉」、菊茶(菊の花)を飲むと鼻水が止まる人もいます。また、1月に嘔吐下痢症で紹介した「五苓散」も効果があります。花粉症に普通に処方される小青龍湯+五苓散が良く効きます。少しでも花粉症の不快感が軽減すれば幸いです。


750号 2015年3月8日

(97)バショウ バショウ科

 今月は、花をつけたバショウです。バショウ(芭蕉)はバナナの仲間ですが、日本では食べられるような実はできません。何回か小さな実を食べたことがあるのですが、皮ばかりで少ししかない実も渋くて駄目でした。
 芭蕉は、花、葉、根、茎から出る水、種子を薬用とする、と中薬大辞典に書かれています。日本では見たことのない「種子(芭蕉子)」は、性質:寒で、そのまま食べると止喝し肺を潤す、蒸して仁を食べると血脈を通す、「茎から出る水(芭蕉油)」の性質:涼で、清熱、止渇、解毒などの効能があり、熱病に、高血圧による頭痛などに用いられると記してあります。根(芭蕉根)は、性質:涼で、清熱、止渇、解毒、利尿などの効果があり、高熱を清熱する等と記されています。ただし、長期に服用すると冷え、胃腸を弱らせるので注意するように記してあります。花(芭蕉花)は、性質:寒で、痰を和らげ去痰する、肝の調子を整える、月経不順を治すなどの効果があると記されています。
 芭蕉・バナナの花は、タイなど東南アジアでは、蕾の部分を炒めたりして食べます、甘酸っぱくて美味しいようです。味・食感が、イタリア料理の食材のアーティチョークと似ていると言った人がいます。食用のバナナのカロリーは100g当たり約90kcalで、水分が75%、糖質22%、タンパク質1%です。カリウムが多く、ビタミンC、ビタミンB群も多く含まれます。バナナが褐変するのはクロロゲン酸というポリフェノールによります。コーヒークロロゲン酸で最近有名になった化合物の仲間です。バナナの外の皮に少し黒い斑点できたころ甘味が増し(澱粉の一部が熟すことで麦芽糖、ブドウ糖等になり)一番美味しいですね。
 沖永良部島に一昨年行った時に、芭蕉布の工房を見学させてもらいました。芭蕉の茎をほぐして、糸にして紡ぐそうです。染色には沖縄藍等が使われています。柔らかくて綺麗でした。小さな沖永良部島で"400余種の薬用植物"を見つけました、スゴイですね。
 春一番が2月22日に吹きました。その後すぐに北から黄砂が飛来しています。冬の時期の黄砂には中国で排出される石炭・排気ガス由来のPM2.5がたくさん含まれています。PM2.5はタバコの煙からも多量に出ますので、子どもたちに副流煙を吸わせないほうが良いでしょう。
 春になると山菜採りをしに行かれる方もいらっしゃると思いますが、間違えて有毒植物を食べないようにして下さい。山菜採りでよく分からないものは採取しないようにしましょう。また、ワラビはきちんとアク抜きをして食べましょう。手抜きすると10年後ガンになるかもしれません。


755号 2015年4月12日

(98)ハシリドコロ ナス科

 人は、有毒植物・動物を前処理して食べます。凄いと思います。例えば、動物では猛毒の「河豚(ふぐ)」、植物でも猛毒の「トリカブト」。いつ、だれが、利用できるようにしたのだろうと考えます。

  
ハシリドコロの花と根

 今回は、有毒植物を紹介します。薬用植物ですが、食べると死ぬことがあります。誤食の時も沢山食べませんので、意識がなくなる位で済みますが、山で食べると寒さで命を落とすことがありますので注意が必要です。また、今回紹介する、ハシリドコロの新芽をフキノトウと間違えて食べた例もあります。鹿が食べないものを食べないで下さい。
 ハシリドコロと同じような成分を含む、ダツラ(別名:トランペットツリー、エンジェルトランペット)が園芸店で売られています。昨年ゴボウと間違え、ダツラの根を誤食して中毒(意識不明、嘔吐、麻痺など)を起こした例がありました。ダツラの根は、見掛けは少し色白のゴボウに似ています。地上部があれば分かるのですが、ないときは十分注意して下さい。分からない、疑問に思うものは食べないことです。
 脅しはそのくらいにして、ハシリドコロの薬としての効果は、中枢神経の副交感神経を興奮させる効果があります(ずいぶん難しい言葉ですみません)。見た目に分かる身体の変化は、瞳孔を拡散(開く)させます。例えば、眼底検査などで用います。暗いところで、ハシリドコロ・ダツラに含まれるアトロピン(ヒヨスチアミン)を含む目薬を1滴落とすと、瞳孔が開き明るく感じます。そこで、写真等を撮影し検査を行います。終わると別の薬品の入った目薬を1滴加えると、もとの状態に戻りますが、瞳孔の動きが元の戻るのには1時間位かかるので「すぐに車には乗らないで下さい」と言われます。
 薬は毒、毒は薬と言われます。モノは巧く使うと有用ですが、間違って用いると有害になりますので、注意して下さい。有毒植物を安易に薬として用いないで下さい。
 また、これから阿蘇の草原には「ワラビ」が顔を出します。皆さんワラビ狩りをして、前処理をして食べています。ワラビには発がん物質が含まれています。癌化には10年前後が必要で、すぐ中毒するわけではありませんが、きちんと前処理をし、毒性分を減少させて食して下さい。シャキシャキ感を目的に熱湯をかけるだけの前処理の調理法は発ガンの可能性がアップしますので、十分に注意して下さい。食器の上には、中毒しない物を置くようにしましょう。皆様のご健康をお祈りします。


759号 2015年5月17日

(99)タチバナ ミカン科

 タチバナ(橘)を食用に用いることは少なく、あまりなじみがないかもしれませんが、観賞用に栽培されています。薬用として果実の皮を「橘皮(きっぴ)」といい、胃もたれ、消化促進、風邪によるノドの痛みに、また血圧降下作用があるなどとして用いられます。成分としては、抗アレルギー活性のあるフラボノイドを含むので、花粉症などに良いのではと考えます。これから実をつけるミカンの未熟果実(親指以下の小さいもの)をスライスして乾かし粉末にして、1回につきコーヒースプーンに一杯を、1日1〜2回飲んでおくのも花粉症の予防になるかもしれません。花粉症が出た時に頓服で飲むのもよいでしょう。1/3位の人が改善する可能性があります。

 タチバナは、奈良時代から貴族の寝殿近くに植えられていました。身近では八代城の入り口にタチバナ(橘)が植えられています。京都御所にも「左近の桜」「右近の橘」が植えられています。橘は「生命の木」、桜は「知恵の木」と考えられています。
 いろんなものが周りにあります。うまく使って下さい。ただし、取り過ぎは肝臓などを痛めますので注意して下さい。

 

植えてはいけない「ケシ」

 先週末、ハンズマンの裏の空き地に綺麗な花が沢山咲いているのを見つけました(写真)。植えてはいけないケシでしたので、熊本県の薬務課に電話をして抜いてもらうように連絡しました。
 この時期、庭などで咲いていましたら、すぐ抜いて枯らして下さい。ご協力をお願いします。皆さん、綺麗だからといって植えている方が多いので悪意はないのでしょうが、植えないようにお願いします。
  また、空き地などで見かけたら、保健所または薬務衛生課( 096-333-2242)まで電話して、撤去してもらって下さい。ご協力をお願いします。

ポピーと植えてはいけないケシの見分け方
@ 葉が茎を巻いている。
A 毛が少なくワックス質である。
危険ドラッグには、絶対に手を出さないようにしましょう!


763号 2015年6月14日

(100)ジョチュウギク キク科 (除虫菊、シロバナムシヨケギク)

 今年も暑くなり蚊が増え、蚊取り線香を使う機会が増えてきました。蚊取り線香を購入し、成分表示を見ると「ピレスロイド」という単語が目につきます。除虫菊の殺虫の有効成分はピレスリン(ピレトリン、pyrethrin)です。現在は合成品が用いられています。しかし、合成品の殺虫能力は天然品の2/3です。
 ジョチュウギクは、写真のような白花が栽培しやすいので除虫菊として用いられますが、園芸用で紅花除虫菊というのも売られています。殺虫効果はあります。なお、蚊取り線香で、煙ばかりが出て蚊があまり弱らない製品もあります。また、蚊取り線香を用いるときはくれぐれも火事に注意して下さい。
 蚊が媒介する伝染病で、日本脳炎、デング熱、マラリアなどがあります。昨年東京で騒ぎになった「デング熱」は、コガタアカイエカが媒介します。日本脳炎も同じコガタアカイエカですね。マラリアは現在日本では発生していませんが、ハマダラカの仲間です。ただ、暑くなってくるとマラリアも徐々に北上していますので日本の南西諸島で発生するのも時間の問題かもしれません。世界中で、マラリアを防ぐのに日本の蚊帳が活躍しています。普通の蚊帳ですが、繊維に蚊予防の薬が染み込ませてあります。これが大変有効だとか。スゴイですね日本の技術は。
 65歳になる前に、献血に行き「海外旅行でネパールに出かけた」と言ったら「マラリアの発生国ですので、献血はできません」と言われました。確かに南部は亜熱帯ですのでマラリアは発生しますが、行ったのはカトマンズ、ポカラとその近郊の山での植物調査のトレッキングです。日本の熊本、東京、東北と同様の気候なのですが。
 暑くなると、夏風邪(寝冷え)を引くことが多くなります。寝冷え(夏風邪)はお腹を冷やして風邪を引きます。良く寝冷え(夏風邪)をする人はお腹を冷やさないように腹巻きをして寝ましょう。夏風邪は、微熱が出て、下痢をするなどお腹の調子がおかしくなります。冷やした胃腸を温め、風邪薬を服用して下さい。
 夏バテは胃腸を冷やして胃腸を弱らせるのが原因です。冷たいモノばかりを飲食するのではなく、一日一回ぐらい「温かいもの」を飲む、一週間に一度ぐらい「鍋を食べ」汗をかくと、夏バテ予防になります。元気で楽しく暑い夏をクリアして下さい。
 湿度が上がった時の片頭痛には「五苓散」を頓服でお試し下さい。また、肩凝り、おっぱいの出にくい人は葛根湯で改善します。但し余り長く飲まないで下さい。


767号 2015年7月12日

(101)コオニユリ ユリ科

 コオニユリ、オニユリが咲き始めました。コオニユリはオニユリよりも草丈、花など、小振りで、オニユリにはムカゴがつき、コオニユリはムカゴがつかないので見分けることができます。どちらも薬用にしますが、一般に百合(ひゃくごう)は、オニユリの鱗茎を用います。コオニユリの薬用部位は鱗茎(りんけい)で、強壮、消炎、咳止め、利尿、鎮静薬として虚弱体質者の発熱、咳、小便不利に煎服し、また、創傷出血、アカギレに外用しますが、食用にすることが多いです。これはオニユリよりも苦味(にがみ)が少ないからです。
 正月の御節料理等に用いますので、田崎市場には年末に北海道から入荷します。茶碗蒸し等に入れると少し苦味があり美味しいですね。しかし子どもには苦味が苦手なようです。酒が好きな人は苦いものは平気です。ビールは苦いのですが、ビールが飲めるようになると苦い食べ物がおいしく感じます。
 苦いものは、身体を冷やすものが多いですね。夏に苦い飲食物をとると、暑い夏の熱を身体から除く作用があります。夏が旬の野菜の代表格が苦瓜(ゴーヤ)ですね。キュウリ等のウリ科、トマトも苦みがあります。
 スイカ、メロンは甘いですが、身体を冷やします。あまり食べ過ぎるとお腹を冷やし、下痢をしますので、気を付けて下さい。また、スイカには利尿作用があります。子どもさんが寝る前に食べ過ぎると、寝小便をしますので、これも気を付けて下さい。

 少し話が変わって、メロン、ヤマノイモ、キウイフルーツ、パイナップルにはタンパク分解酵素が沢山含まれています。皮膚の弱い人が食べると、咽が痛くなる、口の中がヒリヒリするなどの障害が起きます、気を付けてください。また、デンプン、多糖を分解する酵素は大根に含まれています。唾液もデンプンを分解し、甘い麦芽糖、ブドウ糖になります。噛めば噛むほど甘くなるのは唾液のお陰です。噛むことは脳の働きを良くし、近視の予防にもなるとの報告があります。また胃腸が元気になります。胃腸が強いと夏バテしにくいです。ただし暴飲暴食を繰り返す、また、冷たいものを飲食し続けると、胃腸が弱ります。夏バテ予防には、良く噛み、胃腸を内外から冷やさないように気をつけ、汗をかいて水を身体から出して下さい。
 胃は、水に弱いので、暑くてジメジメするこの季節に弱ります。私たちの身体は水を欲しますが、体内に入った水を出す方向で普通は機能しています。しかし、エアコンの効いた室内で身体を動かさないと、摂取した水が、汗や尿として出る量が減り、体内に水がたまった状態(水滞、水毒)になり、倦怠感を感じます。これを防ぐには、一日一回以上汗をかき、温かいものを食べ、飲んで下さい。梅雨に胃を弱らすと、夏バテ、冬に風邪を引きやすい、身体がだるい等の症状が1年中続きます。
 今が肝心です。胃を弱らせず、普通に保ち、菊陽町の医療費を減らしましょう。


771号 2015年8月9日

(102)チコリー(キクニガナ) キク科

 今月はキク科の食用・薬用植物の「チコリー(別名:キクニガナ)」です。
 葉をかむと苦みが強く、唾液、胃酸、胆汁酸等の消化液が出ますので、消化促進に用いられます。薬用としては根茎・根の地下部を用います。効能は、胃、肝臓の機能を整える、リウマチ、痛風にもよいと言われています。小児には下剤として用いることがあるようです。地下部はイヌリンという多糖体が含まれ、消化されにくいので、ダイエットに用いても良いかもしれません。焙煎(ばいせん)した地下部はコーヒーの代用に、西洋タンポポと同じように用いられます。また繊維質の少ない若い根はゆでて食用とします。
 話が変わりますが、先日、八代の食用イグサを作っているイナダ有限会社に伺い、「食用・いぐさ野菜の粉」を利用したお客様の話を聞きました。
 「咳が出て止まらないとき、イグサ粉末でうがいをしたら、咳が止まったんですよ。ただ、鼻水が出ましたけど2〜3日で治りました。どうしてですかね?」
 「2年以上下痢が止まらなくて困っていた潰瘍性大腸炎の方が、奥さんが飲んでいる、イグサ粉末を試しに2週間ほど飲んでみたら改善されました。どうして効くんでしょうか?」と言われました。
 理由は分かりませんが、イグサ粉末がいろんな方のQOL(生活状態)の改善に役立っています。医学的な理由は、まだまだはっきりしませんが、日本人は昔からイグサを使った畳とともに生活をしてきています。なので、効果が出るのかなと非科学的なことを感じています。
 私は、歯肉炎・虫歯予防に、「いぐさ野菜の粉」を、毎日、歯磨きに用いています。使い方は、小さい容器にイグサ粉末を入れ、歯ブラシの先にほんの少しつけ、柔らかく、歯茎から磨き始め、歯を磨きます。終わったら軽く口を洗って終わるだけです。食用イグサの粉ですので、飲み込んでも大丈夫です。
 もし、イグサ粉末を試してみたい方は、大津町の道の駅で購入して下さい。
 いま、イグサの粉末+青ミカンの粉末+菊の花でお茶を作っています。花粉症などのアレルギーで鼻水が出る方の鼻水を軽減することが分かっています。楽しみにしておいて下さい。
 夏バテは胃を冷やして弱らせておこります。暑いからと言って、毎日冷たいものばかりを飲食すると胃によくありません。気をつけてください。


775号 2015年9月13日

(103)ミソハギ ミソハギ科

 台風15号が九州を直撃し、熊本県の荒尾市に上陸、サトイモ・ハスの葉は切れ切れになり、梨・栗など農家の方々も大打撃ですが、皆様は如何お過ごしですか? 
 今月の「ミソハギ」は、ミソハギ科の多年生植物で、各地の山野の湿地に生え、高さが1m位で直立し、上部に花をつけます。盆花として用いられます。名前の由来に「花穂で供養に水をかける習慣がある」ため、ミソギハギ(祓萩)が短くなったとも言われています。供養には墓石に水をかける習慣があり、ミソハギの効能に「喉の渇きを止める作用」があるので、亡き人の渇きを癒(いや)すために、ミソハギを用いるとも言われています。また、ミゾハギ(溝萩)からきたとも言われています。
 地上部を乾燥したものを「千屈菜(せんくつさい)」と言い、下痢止め、急性腸炎、膀胱炎、浮腫、喉の渇きなどに民間薬として煎じて用います。また、煎液を外用として、あせも、かぶれに、また、靴擦れ、切り傷等の止血に用いるようです。煎じ方は、1日分で20g位を目安に、水500〜600ccで半量位まで煎じて、煎液を3回に分けて服用します。喉の渇きには、1日5〜10gを適量の水で煎じ、お茶代わりに、夏は冷やして、冬は温めて服用します。
 食用にもなります。若芽を摘み取り、軽く湯がいてアクを除き、和え物、酢の物などで食します。また、花は1〜2秒湯がき、サラダ等に添えて食べられます。ただ、何度も書きますが、食べ過ぎるとお腹をこわすことがありますので、注意して下さい。
 今年は、秋雨前線の動きが早いですね。また、朝夕ずいぶん涼しくなってきたように思えます。お腹を冷やした風邪の「寝冷え」に注意して下さい。涼しくなり、湿度が下がってきますと、胃の調子が良くなり「食欲の秋」になります。調子に乗って食べ過ぎ、身体を動かさないと、不要の脂肪分が溜まりますので、用心して下さい。「スポーツの秋」とも言います、身体に入れたエネルギーは、運動をして、きちんと消費しましょう。そうすると太りません(実行していない筆者です)。私の奥さんは「自彊術」をして、若さを保つ健康管理をしています。
 胃腸の調子を普通に整え、夏バテを解消し、冬に風邪を引かない身体を秋に作って下さい。皆様のご健康をお祈りします。
 9月11日〜25日、ネパールに出かけてきます。


778号 2015年10月11日

(104)シラタマノキ ツツジ科

 無事にネパールから帰ってきました。大地震から5ヵ月になります。大きな被害が報道されていましたが、首都カトマンズ、第二の都市ポカラは、思ったほど被害もなく、普通の生活をされていました。一般の方々のエネルギーを感じました。壊れた建物は昔の建物、手抜きをしたマンション、家が多いそうです。実際に、カトマンズの中心にある「猿の寺」は傾いていました。ただ、すぐ近くにあるお茶屋さんは何もなかったように営業をしていました。AITM大学も壁にひびが少し入ったとのことですが、平常に講義を行っていました。
 言い過ぎかもしれませんが、ニュース性のある、ひどいところだけを報道し、普通の部分は報道しないのが分かります。風評被害は困ったものですね。ネパールに興味のある方、トレッキング(11月〜1月がベストシーズン)をしたい方は、日本語で案内する方をご紹介しますのでご連絡ください。行ってお金を落として下さい。

 話は本題に入ります。今月はサロメチール(サロンパス)の香りのする「シラタマノキ」です。ツツジ科の植物です。薬用としては、熟した実は、サロメチールの香りがしますが、食べると意外においしいです。また果実を酒に浸け、疲れた足に塗り、筋肉疲労回復に用いるようです。さらに、果実酒にすると琥珀色になり、すっきりした香りがしておいしいそうです。
 ネパールでは、標高2000mぐらいの丘の日当たりの良い所に生えている低木です。今回も花と果実を見ることが出来ました。日本では広島県の冠山の近くで見たことがあります。北海道等でシラタマノキの仲間が園芸で植栽されているようです。
 今年のネパールでの発見は
●「ムスタンコーヒー」
作り方、@少量のインスタントコーヒーにお湯をいれる。A地酒“ロキシー”(ネパールの焼酎)を加える。
●蛭に「ムヒ」が効果抜群だったこと。
●ネパールでもワラビを食べること。カレーの付け合わせ野菜に付いていておいしかったです。
●ネパールでソバと天ぷら(エビ天も有)を食べたこと。ソバセット1500ネパールルピー(約1800円)。
●高山では酒の弱い人が酒を飲むと体調を壊すこと。1度目はブータンで高山病に、今回は不整脈。

など、多くの発見がありました。


782号 2015年11月8日

(105)キカラスウリ ウリ科

キカラスウリの実  キカラスウリの花

 秋に里山の木に蔓(つる)がのぼり、黄色い実がなっています。これが「キカラスウリ」です。昔は地下部から天花粉を作り用いていました。同じような赤い実は「カラスウリ」です。
 今、用いている「ベビーパウダー」は、コーンスターチとタルク(滑石)だそうです。今50歳以上位の方が、赤ちゃんの時に用いていた天花粉は、キカラスウリの地下部から出来ていた「天花粉」でした。しかし材料の不足、高騰などもあり、安価で出来る「ベビーパウダー」になりました。
 キカラスウリは薬用植物です。例えば発熱があり、のどが乾く、熱性の便秘、さらに黄疸、利尿に、根(王瓜根)を。乳が出にくい人に、種子(王瓜子)を煎じて用いますが、妊婦には用いないでください。また、果実の果肉は非常に粘滑性です、果肉を、しもやけ、ひび等に直接皮膚にすり込むと、皮膚の「荒れ」を改善することが出来ます。

<天花粉の作り方>
 根にはデンプンが多く、小児のあせも等に使う天花粉が得られます。天花粉の作り方は、秋〜初冬に根を堀り、泥を良く洗い流して細かく砕き、水を加えてミキサーで攪拌(かくはん)して浮いた繊維質やゴミを奇麗に取り除き、これを数回繰り返して、沈殿した白いデンプンを布でこして、日干しにして乾燥したものが、天花粉です。
 キカラスウリの根のデンプンはある程度の重さがあります。沈殿するのに2〜3時間放置してから、ろ過してください。細かいデンプンも取りたい時は、上澄みが透明になる位まで置いておいたほうが沢山得られると思います。ゴミを取り除きながら繰り返し、奇麗になったら、良く乾燥して用いてください。
 赤ちゃんのオムツかぶれなどに、ウコン粉の軟膏が効果があります。ウコンを栽培している方は、秋に根茎(なるべく黄色の強いもの)を水洗いして、薄く切り、天日で乾燥、粉末にし、白色ワセリン (薬局で購入可)100gに、ウコン粉末3〜5gを加えてよく混ぜ作ります。ただし、用いておかしい時は止めてください。

 銀杏がおいしい季節です。昔は子どもさんには食べさせないといっていました。小さい子が食べると痙攣を起こすことが多かったからです。大人でも30粒以上食べると痙攣する方がいますので、食べ過ぎには注意してください。物事ホドホドに! 
 ノロウイルス(感染性胃腸炎、嘔吐下痢症)が流行しそうです。注意してください。嘔吐・下痢症には五苓散が有効です。


787号 2015年12月13日

(106)プルーン バラ科

 「プルーン」として有名な健康食品の乾燥果実があります。西洋スモモ(プラム)の一種の果実(種子を除いた果肉だけ)を乾燥した物をプルーンといって売っています。植物の原産地はコーカサス地方だといわれていますが、現在の生産地は、アメリカのカリフォルニアです。
 プラムは、ウメと同じ仲間で、プルーンという言葉はヨーロッパで用いられてきました。日本で生食しているスモモとプラム(西洋スモモ)は少し異なります。
 プルーンは、西洋スモモ(プラム)の果肉を90℃位で加熱乾燥して作ります。植物繊維、ビタミンA、E、ミネラルではカリウム、鉄、カルシウムが多い果実です。機能性は、ポリフェノール等による抗酸化活性、他に、糖尿病予防、高脂血症予防、がん(乳がん)予防、便秘解消等があるといわれています。生食でも同じような効果がありますが、乾燥したプルーンのミネラル等の成分は、乾燥して水分は減りますので重量当たり5倍ぐらいになります。秋には生のプルーン(プラム)が売られています、試してみて下さい。ただし、食べ過ぎると下痢をする人がいますので、ホドホドに食べましょう。
 ウメにも多くの機能性があります。特に梅肉エキスには、高血圧予防、抗O157(抗菌)、がん予防、抗酸化作用などの報告があります。来年、梅肉エキスを作ってみませんか。
 先月のキカラスウリ、地下部(約2kg)を用いて、天花粉(約400g)を作られた方がおられますので写真で紹介しておきます。手荒れがひどく、水仕事でゴム手袋をはめられる方は、この天花粉を使うと手袋を外すのも楽で、手荒れ防止にもなるのではと思います。作って利用してみてはいかがでしょうか?
 ヒビ、手荒れに効くのが、ヘクソカズラの実の焼酎漬け、アロエの焼酎漬け、ユズの種子のヌルヌルなどがあります。もう枯れましたが、ドクダミの地上部・花、希少植物になったシュンランの地下茎の焼酎漬けも効果があるという人がいます。人により合う人、合わない人がいますので、まずは少し作って試してみて下さい。
 寒くなると風邪を引く人が増えてきます。脊髄の左右にある、腰から肩までの筋肉を冷やすとゾクゾクして、熱が出てきます。原因は身体に溜まった熱が、汗が出ないために溜まるからです。葛根湯は皮膚を温め、汗腺を開き、汗を出す薬です。汗が少し出れば熱が下がるはずです。頓服で2〜3時間おきに服用し、汗が出たら服用を止め、身体を温めて養生して下さい。


791号 2016年1月17日

(107)ベニバナボロギク キク科

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 胃を休め、心身を整えるための七草粥(かゆ)は食べられましたか?
 雑魚(ざこ)、雑草(ざっそう)など、使えないもの、利用価値のほとんど無い物に「雑」とつけます。しかし、雑魚には、多くのカルシウム、コラーゲン等が含まれます。それと同じように、雑草にも多くの薬用植物、有用植物、食用になる物が含まれています。
 今月の薬用植物は、アフリカ原産の帰化植物、キク科の「ベニバナボロギク」です。抗ウイルス剤、抗腫瘍剤等の医薬開発があります。民間薬としては、地上部を、利尿、解熱、乳腺炎、消化不良に用います。

 
 若芽、若葉は、熱湯で茹でて食べます。シュンギクのような食感で、昔、高知の梼原(ゆすはら)町で食べたことがあります。また12月に湯山(水上村)の民宿で、夕食の料理に出てきました。おいしかったです。湯山の民宿は、地元の食材をふんだんに使った食事が多いです。「ベニバナボロギク」を、2012年に鹿児島県アイランドキャンパス事業で沖永良部島の薬用植物調査をしたときにも見つけました。九州のどこにでも生えています。また、ミャンマー、ネパール、ラオス、ベトナムでも見つけました。
 八代の名産である、無農薬イグサを畜産に用いた実験結果が出ましたので、紹介します。豚の餌に0.05%の「い草粉末」を含ませて子豚に食べさせると、シッポ噛みが激減し、死亡率が減ります。どなたか利用してみる方がおられましたら、詳しいことを紹介しますので、ご連絡ください。
 私は、花粉症に効果のある成分を含む薬草の3種をブレンドした「健康茶」を作りました。モニターを募集しています。興味のある方は、1月中にご連絡ください。3種の植物は、それぞれで花粉症の目の痒み・鼻水を軽減します。それを3種ブレンドしたのが仮名「ハチャメチャ菊茶」です。ひどい花粉症には効果がありませんが、初期の症状や、目の痒み、鼻水を軽減する可能性があります。


795号 2016年2月14日

(108)オニタビラコ キク科

  

 今月も雑草の「オニタビラコ」です。春の七草の「コオニタビラコ(ホトケノザ)」の仲間です。コオニタビラコは田畑に生育しますが、オニタビラコは庭・畑の畦(あぜ)など、私たちの近くにたくさんあります。「島原の薬草」の中に、「薬物中毒による蕁麻疹(じんましん)、イカ、タコの中毒による蕁麻疹、湿疹、アトピー性皮膚炎、老化による皮膚の痒(かゆ)み等に、乾燥地上部10〜15gを煎じて飲む。外用では生の葉をすりつぶし、皮膚に塗る。急性の食中毒の時は青汁を杯(さかずき)一杯飲む」と記されています。
 これを元に、成分研究を行い、抗酸化作用を持つポリフェノール類のフラボノイド、コーヒー酸誘導体等の化合物、さらに抗アレルギー作用を持つ化合物が分かり、民間薬として島原で用いられる用法を化学的に証明しました。
 中国の本には、性は涼、味は甘くて少し苦い、無毒、効能は、咽の炎症、乳腺炎など記されています。
 「くらしの中の薬草(熊本)」の小冊子を3月までに作るために、現在編集中です。薬用植物105種、有毒植物42種、薬酒の作り方、植えてはいけないケシなどを掲載する予定です。出来上がりましたら、皆様の散策の一助となりますので楽しみにしておいて下さい。
 4月から、菊陽町の家に拠点を置き、薬用植物、有用植物、そして漢方薬に関する啓発活動を続けたいと思っています。これまで熊本大学薬学部で行っていた月例の薬用植物観察会、月例漢方とハーブの勉強会を、どこかで開催したいと思います。ご要望がありましたら、伺いますので、声をかけて下さい。
 2月はネパールのカトマンズにある大学に出かけます。カトマンズは熊本と同じ緯度ですので、寒さも同じぐらいでしょう。しかし、現在ネパールはガソリン不足、ホテルの部屋や大学に暖房がないようで、毎日温水シャワーが出るとうれしいです。行ってみないと分かりませんね。楽しみです。
 3月、4月号はネパールにもある薬草にします。お楽しみに!


799号 2016年3月13日

(109)タカサブロウ キク科

 ネパ−ルは、日本と植生が似ています。人間の顔も似ている人がいます。2005年にネパールで、タカサブロウをホテルの庭で朝採集して帰ったら、草取りをしてくれたとお礼を言われました。少し湿気のある日当たりのよい、水田、溝などに生えています。
 生薬名を墨旱蓮(旱蓮草 カンレンソウ)といいます。乾燥すると墨のように黒くなるからでしょうか。薬用にはタカサブロウの全草を用います。中国では涼血、止血、補腎、益陰の作用を持ち、眼底出血、眼部の疾患の治療及び各種の出血性疾患の治療などを目的に用いられています。また、日本および熱帯地方でも、ただれ目の治療、止血などに使用します。ネパールでは、強壮、下痢に、肝臓病に、歯肉炎、荒れた皮膚の改善、髪を黒くする等に用いるようです。他にHPで探して見て下さい。成分は、中国からの留学生で、現在は鍼灸院を白山通りと電車通りの交差点近くで開業している丁 寧氏(中国の医師)が成分研究をしてくれました。

 ネパールの地震から10ヵ月、まだ手がついていないところもありますが、復興もだいぶ進んでいます。観光に行って、お金を落として下さい。現地の人が喜ぶと思いますので出かけてみて下さい。
 ネパ−ルでの食事は、MOMO(日本のギョウザ)やカレーです。カレ−のおかわりはいくらでもできます。田舎の店では、100Rs(ルピー、110円位)の値段です。おなかがすいているので旨いのひと言です。カレーには香辛料が10〜20種も入っています。メインはウコン(ターメリック)、他に、カルダモン、クミン、クローブ(丁子)、胡椒、コリアンダー、シナモン(桂皮)、フェンネル(茴香)、ナツメグ、スターアニス(八角、大茴香)、オールスパイス、トウガラシ等です。

 
 ただ、ネパールのカレーは、野菜を炒めるのにたくさんの油を使いますので、長く食べていると、血中のトリグリセライド(TG)値が急増しますので、おいしいのですが少し考えものです。ヨーグルトもおいしいです。
 現在、ネパール政府が中国と仲良くしているため、インドから入っていたガソリンが9月からストップしています。 日本では考えられないことの多い国です。


803号 2016年4月10日

(110)バンマラ キク科

 桜が咲くのが遅れ、開花とともに花冷えで、今年は少し長く桜を楽しめましたでしょうか? 
  今月は、キク科フジバカマ属植物のネパールでバンマラと言われる雑草です。空き地、畑、森林に繁茂し、畑を食い荒らす草として嫌われていますが、薬草です。インドから入り、あっという間に増えています。雨季になると山蛭(ジュガ、Juga)が葉の先について動物・人の来るのを待っています。
  バンマラの地上部は、抗菌性、止血、鎮痛、睡眠誘導などの作用が明らかにされています。また、民間薬ではケガの時の止血に用いています。牛、水牛などは、食べる物が無いときは食べているようですが、人が臭うとあまり良くない強い香りがあり、好んでは食べていませんので増える一方です。3月にネパールにいたときに、花が咲いているのを初めて見ましたので、感動し撮影しました。ネパールの首都カトマンズは標高1300mほどで、阿蘇の草千里くらいでしょうか。着いた時には、菜の花が満開、桃が咲き始め、滞在中に桜、梨、林檎の花が咲き出しました。乾季で雨が降らないこともあり、菊陽町よりも1ヵ月くらい植物の動きが早いようですね。
 2月8日に日本を出発(車のウインドーが凍る朝でした)、3月8日(20℃になり、暑く感じました)に帰国しました。何を1ヵ月もネパールに? カトマンズ市の南に位置するパタン市の、小さな大学、AITM(Asian Institute of Technology & Management)大学の学生さんに、講義と実習を計15回行ってきました。2月9日にカトマンズに入り、パタン市のマハボーダ寺院の横にあるマハボーダゲストハウス(一泊600〜800Rs《Rs=ネパール・ルピー 1Rs≒1円》)で、28日間お世話になり、AITM大学には片道2.5kmくらいの距離を歩いて通いました。ゲストハウスの奥さんの料理(150〜3000Rs、ミルク茶30Rs)が美味かったです。

 食品には、五味(酸、苦、甘、辛、塩)と、性(熱、温、平、涼、寒)が、また、漢方で陰・陽があります。春で暖かくなると陽になり、冷たい飲食物が欲しくなります。冷え性の方は温める食品を少し多めに食べましょう。また、夏には暑く自然の陽が強くありますが、しかし、クーラーで冷え、陰が強くなりますから、冷たい物を飲食すると冷え性の方は悪化しますので、気を付けて下さい。運動しなくて汗をかかない人は、夏でも一週間に一度くらい熱い鍋料理を食べて汗をいっぱいかいてください。大便、汗など、出す物はきちんと出して、夏バテをしないように心身のバランスを普通に保てるようにご自愛ください。
 これまで大学で行っていた“やさしい漢方とハーブ”の勉強会を、ひばりヶ丘の公民館で行おうと思っています。興味がある方はお問い合わせください。


806号 2016年5月15日

(111)サンザシ バラ科

 震災で、多くの報道がされていますが、農業の方の報道は大変少ないです。熊本は農業県、農家の方の被災も大変多く、出荷時期のイチゴ、トマト、スイカ、種を蒔くイネ、成長中の苗類、田畑作りなど、植物は待ってくれません。我慢強い熊本人の気質ですが、あまり我慢せずに、助け・ボランティアが必要でしたら「助けて」の声をあげて下さい。

 大地震に揺さぶられても、季節が来ると植物は花を咲かせています。
 今月は、庭で咲いていたサンザシです。熊本ではあまり見かけません。涼しいのを好む植物です。サンザシ(山査子)と聞かれて何をイメージしますか?私は中国で食べるお菓子が出てきます。中国に行ったとき最初のうちはお土産で、よく買っていました。中国では美味しいと感じますが、日本に帰ると皆さん美味しいとはいってくれません。何故だろうと思いながら食の内容を考えると納得します。中華料理のこってりした食事の後には美味しいと感じますが、日本料理のサッパリ味の後は、旨味を感じません。やはり食にあったデザートを取るべきですね。
 本題に入ります。今月のサンザシは、果実を生薬(しょうやく)として用い、“山査子”と言います。味は酸甘、性質は微温です。消化不良による胃のもたれ、下痢、産後の血液のうっ滞(動きが悪い)、小児の消化不良等に用います。山査子と人参(薬用)で食欲増進の作用があります。漢方では化食養脾湯、啓脾湯、加味平胃散に配合されています。中華料理の後、デザート、お菓子で食べるのは理にかなっているのでしょう。

 大動脈の阿蘇大橋(昔の赤橋)と俵山トンネルとその手前のダム湖の堤防の道が通れなくなっています。昔、赤橋(阿蘇大橋)が無いときに、立野〜黒川に架かる沈下橋を通り、栃木温泉から長陽に抜けるルート、又は、ダム予定の横に出来た「橋」が、通行可能になれば、南阿蘇の方々も楽になるのでしょうが。南阿蘇の草原も春です。フデリンドウ、フクジュソウ、キスミレ、キジムシロ、ヒトリシズカ、ツクシシオガマ、ヤマエンゴサク等が咲いています。5月に入ると、ハナシノブ、ヤツシロソウ、サクラソウなどが大きくなってきます。北外輪山の草原では、ハルリンドウ、ヒトリシズカ、キスミレ、サクラソウ、フクジュソウ、ジロボウエンゴサク等が咲いています。
 ワラビ取りをする季節ですが、勝手に他人の土地に入ってはいけません。花々も取らないで観るだけにして下さい。花が終わると種子ができ、次の世代へと続きます。阿蘇の草原が美しい季節、疲れた心を癒してください。草原を歩くときは足元を良く観察して歩いて下さい。夏〜秋の花野を楽しみにお願いします。


810号 2016年6月12日

(112)アメリカキササゲ ノウゼンカズラ科

 熊本市内の徳富記念館にある「カタルパ」のことで、徳富蘇峰がアメリカから持ち帰ったと言われています。今年も5月上旬から下旬にかけて開花しました。日本には少し小さい花を咲かす「キササゲ」があります。どちらも果実を利尿薬として用います。秋に採取し、種子を含めた乾燥した果実をカットして用います。

     

 アメリカキササゲ・キササゲの果実は利尿作用(小便を出す作用)が強く、腎炎やネフローゼ、むくみや蛋白尿になったときの利尿剤として効果を示します。ただ、腎透析中の方は利用しないでください。
 5月27日〜30日に金沢での加賀・能登薬用植物シンポジウムに出かけ、金沢大学薬学部の薬用植物園の見学・講演会、顕微鏡の使い方の実習、「末森山」での観察会に参加し、続いて富山大学薬用植物園にも寄ってきました。
 大学の薬用植物園で、初めてローレル(月桂樹)の果実を見ました。ローレルは雄木がほとんどなので果実を見たのは初めてで感激です。また他に、カンゾウ(甘草)、ムラサキ、カノコソウ等の花が咲いていました。楽しかったです。

 余震が続き、どこかに地震へのおびえがあります。床が少し揺れても地震かと思うようになっている自分を感じました。自然の中で植物に接すると、少しは心が癒されます。ひどい地震の後、一ヵ月以上余震が続きました。強がっていても、心と身体のバランスが狂っているようです。そのために、漢方でいう肝(かん、現在の肝臓も含む)が、ストレスにさらされて弱っているようです。そして肝が少し炎症を起こし、その熱(虚熱、体温が上がることのない熱)が上に上がり、心(現在の心臓も含む)で、モヤモヤの症状をおこします。更に虚熱が、頭に上がると、イライラ、怒りやすくなります。皆さん如何ですか?
 その時に用いる漢方処方が「抑肝散加陳皮半夏」(よっかんさんか ちんぴ はんげ)・「抑肝散」です。モヤモヤ、頭のイライラ、怒りやすいを和らげて普通に近くしてくれます。他に、片付けなどで筋肉痛になって、こむら返り・身体が痛く眠れないような人は「芍薬甘草湯」が良いでしょう。どちらも頓服(症状がある時、ある可能性がある時の予防に、必要な時に飲む)で利用してみてください。ストレスを抜くために少しは笑ってください。「手当(手で体をさすること)」で心身が落ち着きます。皆様のご健康をお祈り致します。


814号 2016年7月10日

(113)カンゾウ(甘草)マメ科

  合志市で栽培されているので、少しなじみがあると思います。漢字で「甘草(かんぞう)」と書きます。日本には自生していません。スペインカンゾウ、ウラルカンゾウなどがあり、中近東(アフガニスタン〜カザフスタン)〜ウラル〜モンゴル〜内モンゴル〜東北(中国)の乾燥した地域に自生していますが、水が大好きな植物で、砂漠では根を5m以上、地下水のある所まで伸ばします。
 カンゾウの利用部位は、根およびストロン(根のように伸びた根茎)で「食用(甘味料)および薬用」に用います。アフガニスタンから輸入の甘味料を作るカンゾウは1kgで5ドル(500〜600円)くらい、薬用にする物は千円/kgくらいと聞きました。日本で作っている甘草は、約4千円/kgで流通しているとも言われています。高いですね!
 食用では、甘草の甘味の成分「グリチルリチン(グリチルリチン酸)」(甘味料)が、醤油、味噌などの日常的な物に少々ですが含まれています。グリチルリチンは砂糖の150〜300倍/gの甘さを持っていますので、量的には少しです。
 漢方薬でも処方の70%くらいに用いられています。もし皆さんが甘草を含む漢方処方を用いるとすると、こむら返り、筋肉痛、腰痛等の痛みに「芍薬甘草湯(芍薬+甘草)」があります。飲み方は、1日3回ではなく頓服で飲んで下さい。
 頓服とは、症状が出たときスグに、もしくは出そうなときに飲む飲み方。風邪薬の葛根湯も同じく頓服で2時間おきに飲みます。
 甘草と芍薬には、共に痛みを和らげる効果があります。これを二つ合わせると痛みを和らげる効果が強くなります。神経に作用しないので西洋薬(現代薬)の鎮痛薬のような副作用は、ほとんど有りません。(ただ、飲みすぎには注意)
 甘草+桔梗(キキョウの根)の処方を桔梗湯といい、二つ混ぜると桔梗の咳止めの効果が強くなります。甘草+乾姜(乾姜甘草湯)で、乾姜の身体を温める作用が、さらに強くなります。
・乾姜(かんきょう):ショウガ(根茎)を蒸して乾かしたもの。
・生のショウガ:汗を出す作用が強いので、風邪の時に生姜湯等で飲む。
・生姜(しょうきょう):ショウガ(根茎)を乾かしたもの、胃腸を温め、発汗する作用もあります。(乾生姜ともいいます)

 蒸し暑くなりました、冷たいモノばかりを飲食し過ぎると、胃が冷え、食欲が落ち、夏バテします。「食べることは生きること」を忘れないように、心身をご自愛下さい。夏バテ予防、漢方薬の用い方などの勉強は、毎月第4水曜日の「やさしい漢方とハーブ」の勉強会に!


822号 2016年9月11日

(114)イノコヅチ ヒユ科

 秋には、種子が服にくっつくので「ひっつき虫」としても知られている、イノコヅチです。道端、山野のどこにでも生えている多年草です。漢字で「猪子槌」と書き、「猪の子ども(いのこ)の膝(ひざ)」に「茎の節」が似ているからでしょうか。生薬に用いる根の採取は秋の終わりに地上部が枯れ、根が充実した時に行います。その頃は茎の節がさらに大きくなり、牛の膝に見立てて「牛膝(ごしつ)」と言います。漢方薬には、根(牛膝)を利水、利尿を目的に用います。若葉は天ぷら等にして食用にします。葉にも利尿作用があります。
 漢方薬では、膝に水が溜まって冷えがあるときに使う「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」や、血行、水分の循環が悪いために冷えて起こる、関節痛、腰痛、神経痛等に「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」に処方されています。リウマチを治すのは厳しいですが、予防にイノコヅチの若葉をお茶にして飲むのも良いでしょう。

 
イノコヅチの花   宴Cノコヅチの根

 写真は、高森の南阿蘇ビジターセンターの野草園で撮影しました。10月2日(日)に「第16回薬用植物を知ろうin熊本(南阿蘇)」を行いますので、その観察ルートと植物の確認に出かけています。西原村のグリーンロードの峠越えで、菊陽町から1時間30分弱かかります。俵山トンネル、俵山峠が通れなくなり、20分くらい余分にかかります。南阿蘇でも高森はほとんど地震の被害はありませんが、まだまだ人は少ないですね。復興・再生のためにも昔のように観光客が戻り、新しい「ニャンロクゴ(国道265号)」の高森になることを願っています。
 「危機管理」という難しい言葉があります。簡単に言うと「生活の中の危ないことを知り、それに対応する方法を考え、実行出来るようにし、危険を軽減する」ことでしょうか。生活の中には多くの危険があります。それを知り、どうすれば危険を最小限に出来るかです。例えば、昔息子が、小学校の給食で咽に魚の骨が刺さり、痛い目にあいました。それから彼は学習し「魚には骨がある、確認して口に入れ、良く噛む」をしているようです。自然には絶対の「安全・安心」はありません。自己責任で危機管理すべきです。添加物だらけの食品を子ども達は食べて(食べさせられて)います。「賞味期限ばかり」を気にするのではなく「何が入っているか」を、包装の裏の記載を読んで、気にしたほうが良いですね。子ども達が大好きな味の濃いお菓子、冷凍食品には添加物が多いです。長年添加物を摂取していると、アレルギー等になる可能性もあります。皆さんいかがですか?
 無農薬・減農薬の野菜・果物を選んで、良く噛んで、本当の味・香りを感じ、子ども達に食べてもらって下さい。機能性成分、ミネラル、ビタミン類は、皆さんが捨てている皮、外側の葉に多く含まれます。


825号 2016年10月9日

(115)カワラケツメイ マメ科

日当りの良い、路傍に生える一年草で、8月〜9月に黄色い小さな花が咲きます。種子が熟した頃に採取した地上部を乾燥した物を、まめ茶、はま茶などと名付けて売られています。効果は、利尿、緩下として、浮腫、便秘等の改善に用いられます。また、胃腸を整える作用もあると言われ、健胃等にも利用されています。
 飲み方は、一つまみ(5〜10g)を500cc位の水に入れ、沸騰させた後に冷まし、数回に分けて飲んで下さい。ドクダミ、ハブ茶と混ぜても良いでしょう。
 家の入り口に植えていたら、隣の敷地まで生えて増えています。昔はあちこちに有りましたが、あまり見かけなくなりました。カワラケツメイがツマグロキチョウの食草だということを、この前、大津から阿蘇への道を造る場所の植生調査のおり、初めて知りました。ただ、野生の物が少なくなっています。

 15種ある「ひご野菜」のひとつ、カスガボウブラ(カボチャ)が大きくなっています。収穫は、霜が降る前の11月末〜12月初めにして下さい。早めに取ると、青臭くベチョベチョで美味しくありません。寒くなるまで、なったまま放置しておくと、寒さで甘味が増し、肉も締まって美味しいです。お試し下さい。

 9月の終わりに、クズの花を採取しました。採取後、ゴミと虫を除き、電子レンジで加熱、ザルに広げて乾燥し、保存しています。葛花の飲み方は、5g位を、水300cc位に入れ、沸騰させお茶にします。酒毒を消しますので、酒を飲んだ後に飲むと、二日酔いになりにくく、また、酒の弱い人が、付き合いで飲まなければいけないときは、酒を飲む前に飲んでおくと、少し飲めるようになります。人により、効果は異なるので、良かったらお試し下さい。

 オオブタクサ等の花粉が飛び出しました。花粉症、PM2.5で、涙が止まらない、鼻水が出る方に、私の長年の研究からブレンドした「ハチャメチャ菊茶」を試されませんか!10パック入り送料込み、1袋1,000円、2袋1,800円、3袋2,700円でお分けします。
 心身のバランスを普通に近く保てるよう、皆様ご自愛下さい。


830号 2016年11月13日

(116)チャノキ(茶) ツバキ科

 チャノキの原産は、中国西南部、雲南省・広東省・広西壮族自治区あたりとされています。他には、日本のチャノキと、渋みが強く紅茶に適したインド北東部アッサム地方の葉の大きなチャノキがあります。
 茶は奈良・平安時代に中国から日本に入ったとされています。平安初期(815年)の日本後記に嵯峨天皇が茶を煎じて奉じたと記されています。安土桃山時代になると、茶の湯が千利休(1522〜1591)により完成され、豪商・武士に浸透しました。江戸時代には茶の栽培が盛んになり、庶民の間でも飲まれるようになりました。
 茶は、中国から薬として日本に入って来たと考えられます。薬効としては、抗菌、強壮、抗がん、脂質代謝促進などが知られています。茶にはカテキン等の縮合型タンニン類を含み、脂質の吸収抑制、抗酸化、高血圧予防、高脂血症予防等が報告されています。また、抗ウイルス活性もあり、風邪で咽が痛い時に、濃い茶でウガイをすると、咽の痛みを軽減することができます。ただ最近カフェインを含むことから、少し嫌われているところが気になります。カフェインには交換神経興奮作用があり、眠気の予防等の効果があります。また、カフェインの作用を抑え鎮静効果を示す「テアニン」が茶に含まれていることも忘れないでください。
 茶には、代表的な物として「緑茶、釜炒り茶・ウーロン茶、紅茶」があります。緑茶は、採取した葉の酵素の働きを蒸すことで失活させ、褐変を抑え、葉の緑を保ちます。釜炒り茶・ウーロン茶は、カテキン等のタンニン類を酸化するポリフェノールオキシダーゼ(酸化酵素)の働きを少しだけ働かせて、茶の色を褐変させ、その後熱を加え、酵素を失活させた物です。紅茶は、茶葉の温度を50〜60℃位に保ち、酸化酵素を十分に働かせて、カテキン類からテアフラビン類の赤色の色素ができ、紅茶になります。
 ただ、これらのお茶を飲む時は軟水(硬度300以下を軟水という)を用いることが大事です。もし硬水を用いるとお茶は色が濃くなります。例えば、昔「紅茶」を英語(イギリス)で「ブラックティー」と言いました。理由は「紅茶の茶葉は緑茶と比べて黒っぽいこと、またイギリスの水でいれた紅茶は、日本や中国で言う紅い色ではなく、英国の水が硬水で黒っぽい色になるから」だそうです。英国やネパールを訪れる時には、ブラックティーと言って紅茶を注文して下さい。
 最近、濃い茶が売られています。胃の弱い方が濃い茶(渋茶)を沢山飲まれると、胃が重くなりますので、良いからと言って飲み過ぎには気を付けて下さい。茶葉を含まない「○○茶」が、たくさん出ています。さらに多くの薬草をブレンドした茶もあります。多くの薬草を混ぜた場合、目的の効果が相殺されることも考えられますので、ブレンドするときは、目的を考えて行ったほうが良いと思います。
 「茶」は、日本で1000年以上の生活・文化の中でたしなまれてきました。日本の環境・地域性にあった茶の文化を大事にすることで、日本食を支える「茶」が必要ではと感じています。


834号 2016年12月11日

(117)コーヒーノキ アカネ科

 

 皆さん、お茶が好きですか? コーヒーが好きですか? どちらもカフェインを含み、ポリフェノールを含んでいます。
 コーヒーの味や香りにはうるさい人が多いですが、茶の味や香りにうるさい人にはほとんど会ったことがありません。昔からの日本の文化の中のお茶なのになぜかなと不思議に思っています。
 コーヒーは、多数の野生種がアフリカ大陸西部〜中部からマダガスカル島等に分布すると言われています。南米、インドネシア、エチオピア等が産地でしたが、東南アジアの、ベトナム、ラオス、ミャンマー、ネパール等でも生産されています。コーヒーノキの果肉は熟すと甘くて美味しいです。少し青臭いですが、癖になる味です。果実の中に種が2個入っていて、種子2個を合わせるとラグビーボールのような形になります。

  

 先月紹介したチャ、コーヒーのポリフェノールがミネラルと結合して沈殿し、硬水を軟水化します。また、ビール、ワインも製造過程で硬水を軟水化します。しかし、これら全ての飲み物は軟水で入れる・作る方が美味しいのが出来ます。 
 コーヒーの中にもカフェインが入っています。100g当たりに含まれるカフェインは、コーヒー0.06g、煎茶は0.03gくらいだそうです。カフェインは自律神経の交感神経を興奮させるので、良いことも多いのですが、あまりにもカフェインに頼り過ぎると、依存性、自律神経失調等の副作用を示します。茶は日本の食生活の中で根付き、依存症と言われることはありませんでしたが、どうでしょうか?
 また、コーヒーにも多くのポリフェノールが入っています。茶と同じように、加熱し酵素を失活させることで、褐変を防ぐことが出来ますが、ローストし過ぎて黒くなってしまっているように思います。熊本市花畑町に「珈琲アロー」という、琥珀色でカップの底が見えるくらいの色のコーヒーを飲ませてくれる店があります。コーヒーで胃を悪くする私でも飲めます。
 コーヒーを楽しむと共に、日本の文化であるお茶を自分で入れて「香りや味を味わう」こともゆとりを持って生活する中で、大事ではと思います。皆さん来年から、少しでも「ゆとりを持って、自分の好みのお茶を探し味わう生活」をしてみませんか!楽しい2017年をお迎えください。


837号 2017年1月1日

(118)屠蘇(とそ)

 一年の始めに邪気を払い、延命長寿を願う「屠蘇(とそ)」は“蘇(鬼)”を“屠(ほふ)る”と書きます。病をもたらす鬼を屠り(葬り)、延命長寿を願うもので、元来、中国では祝いの席で用いられていました。やがて、日本では元旦の朝に、一年の邪気を払い、病気をせず長寿を全うできることを願い、正月に屠蘇として飲みます。
 お屠蘇とは、日本酒(または日本酒と本みりんのブレンド)に、5〜10種の薬草を調合した「屠蘇延命散(屠蘇散)」を浸して飲むものを指しますが、熊本の多くの家庭ではそのお酒に「赤酒」を使用します。
 その中に入れる「屠蘇散」に含まれる植物は色々ありますが、私が作っている屠蘇散には、身体を温め、風邪や伝染病を防ぐ、胃腸の調子を整える等の効果が期待できる7種の生薬が入っています。

◆ 私の屠蘇散一袋に入っている生薬

@桂皮(けいひ)0.8g:クスノキ科、シナモンの樹皮(シナモン)。性味:辛甘、温。A花椒(かしょう)0.2g:ミカン科、サンショウの成熟した果皮(種子を除いたもの)。性味:辛、温。B陳皮(ちんぴ)0.2g:ミカン科、成熟したウンシュウミカンの果皮。性味:辛苦、温。C桔梗(ききょう)0.2g:キキョウ科、キキョウ根、性味:苦辛、平。D浜防風(はまぼうふう)0.2g:セリ科、ハマボウフウの根および根茎。性味:甘苦、微寒。E蒼朮(そうじゅつ)0.2g:キク科、ホソバオケラの根茎。性味:辛苦、温。F丁子(ちょうじ)0.2g:フトモモ科、チョウジの蕾(クローブ)。性味:辛、温の7種。

◆お屠蘇の作り方
 赤酒に一袋を入れ、一晩くらい漬け、取り出します。取り出した屠蘇散はお風呂に入れて楽しめます。長く漬けて健康酒の替わりに飲んでも美味しいです、寝酒にも良いと言われる方もいます。また車の中に屠蘇散を置いておくと落ち着いて運転出来る方もいます。別の使い方もお試し下さい。
 赤酒は、灰持酒(はいもちざけ)の一種で、熊本にしかない酒(味醂)です。酒の発酵途中に木の灰(アク)を入れると赤くなる独特の醸造法で作られています。
 七草粥(身近にある野菜の葉・根を入れて作るお粥)と共に心身をいたわって下さい。
 今年は、さらに心身のバランスに気を付け、復興→再生・新生→ステップアップの良い年になりますことをお祈り致します。


842号 2017年2月12日

(119)マタタビ マタタビ科

 アメリカ大統領がトランプ氏に代わりました。初心表明を聞いていて「トランプ漫画劇場」が始まるような気がします。例えば、自分に気を引きたいという認知症の始まりかも、と私は勝手に思っています。
 今月は「マタタビ」です。少し山の中に入ると生えている、身近な蔓性の植物ですが、気にしないと目立ちません。「マタタビニ デル」(また旅に出る、再出発する)。昨年は地震で何かと大変だった年でしたが、新年2月となり、今年の新しい出発に良いかなと思い選びました。

 マタタビの雄花

マタタビ果実
宴}タタビの仲間、サルナシの果実

 マタタビの虫こぶ

 皆様ご存じのマタタビは「猫にマタタビ」でしょうか? 動物病院で買ってきたマタタビを、猫に近づけると、急にゴロゴロ、ヨダレを出して喜ぶ等、試してみた方も多いかもしれません。猫がゴロゴロする成分は「マタタビラクトン」といい、香りの成分です。昔この成分を作っていた人が、服に香りが着いていて、動物園のライオンのそばに行ったら、急にライオンがゴロゴロしだしたと言っておられたと聞きました。香りの機能性はすごいですね。
 マタタビの名前の由来は、@アイヌ語の「マタ タンブ」から A旅人がこの実の香りで疲労が回復し、また旅に出るから、などがあります。このことから、果実、茎に疲労回復の効果があるとされています。
 薬用としては、蔓を乾燥した物を天木蔓(てんもくつる)、虫こぶでない実を乾燥したものは生薬で天木実(てんもくじつ)と言います。また、マタタビアブラムシの入った虫こぶを蒸して乾燥したものを木天蓼(もくてんりょう)と言い、体を温めて血行をよくし、強心、利尿の効果があり、冷え性、神経痛、リューマチ、腰痛などに用います。
 飲み方は、木天蓼10〜15gを、0.6リットルの水で煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、1日3回に分けて食間に服用します。虫こぶの酢漬けは、元気が出ると言われています。お試下さい。

 


846号 2017年3月12日

(120)メナモミ キク科

 ひっつき虫の代表として知られる「オナモミ、オオオナモミ(外来種)」の種子を服にくっつけあって遊んだ人は多いのではないでしょうか?
 今月のメナモミは、名前の通り、女性の可愛らしいオナモミという意味です。オは雄・男性、メは雌・女性の意味で、植物の形態をみて付いた名前です。
 皆さん良く知っておられる、秋の七草のオミナエシは性別は雌ではないでしょうか。それに対して花が白いオトコエシがあります。これは雄で、大柄です。
 メナモミは、北海道、本州、四国、九州の林縁、原野、荒地、空き地などに自生します。和名は「キレン(※漢字は画像参照)」といい、薬用には、夏から秋の花が咲いた時の全草を使用します。生薬名は「キレン」といい、お茶のように飲み、腫れ物の治療に用います。
 種の保存を考えると、秋の種子が出来た時に、種子を落とした全草を採取します。乾燥後、1日5〜10gを、水400mlが半量になるように煎じて服用するか、お茶のようにして飲みます。
 「菜もみ」という料理の中に、オナモミ、メナモミの若い地上部を塩揉みし、味噌等で和えて小鉢にする料理があります。雑草といわれる植物を利用し、自然の旬を味を味わうのも楽しいです。ただし毒草には十分注意し、分からない植物は、食さないようにして下さい。知ったかぶりも禁物です。はっきりと食べられると分かる植物だけを食べて下さい。
 名前の由来:ナモミとは、ナモミ(菜揉み)からで、奈良・平安時代の古代の強壮薬「神麹(しんきく)」を作るときに、米麹、アズキ、カワラニンジンなどと、オナモミやメナモミの未熟果を混ぜて、揉んで発酵したもといわれ、揉むことから、この菜揉み(ナモミ)が付きました。雄菜揉み(オナモミ)より、小型であることから、雌菜揉み(メナモミ)の名になったといわれています。

 今年は、花粉が多そうです。花粉症の初期の方に「ハチャメチャ菊茶」を作りました。菊花と熊本県産の青ミカンとイグサ粉末が入っていて、花粉症・PM2.5による目の痒み、鼻水、涙目の予防にいいですよ。